かめたんコース

墨灸・鍼・小児はり/氣功オプション のご案内

板宿分院(月・水・木)では、女性鍼灸師スタッフにより、従来の墨灸治療を踏襲しつつ、墨灸・鍼・小児はりと、補助的に氣功も取り入れた施術を行っています。

鍼灸治療が得意とすること ー自律神経を整える

自律神経とは

自律神経とは、自分の意思とは関係なく働いてくれている神経のことです。例えば、私たちは普段、息を吸ったり、心臓を動かしたりといったことは、無意識に行われています。このように意識することなく、体の方で勝手に調整してくれている神経を自律神経といいます。自律神経には、大きく分けて交感神経と副交感神経の2種類があります。それぞれアクセルとブレーキの働きがあり、この2つの神経がバランスを取り合うことで、身体の様々なバランスが保たれています。これが崩れてしまうと、自律神経は全身の様々な臓器や器官に分布しているので、全身に症状が認められます。
 鍼灸治療は、経穴への刺激を通じて、2つの自律神経のバランスを調整する働きがあります。

自律神経が整うと全身の血液分配も整えられる

自律神経は、血管の周りにも張り巡らされていて、血管の太さを調節することで、各臓器に流れる血液量を分配・調整してくれています。本来は、昼間は脳や筋肉に多く分配され、夜間になると、肝臓や胃などの消化器系に多く分配されます
 ところが、夜遅くまで頭脳を酷使する仕事をしたり、昼間に腹の立つ事があったりすると、布団の中に入っても頭がグルグル働き、なかなか寝付くことが出来ません。ストレスや不規則な生活等により自律神経が乱れると、血液の分配が乱れ、睡眠の質が下がったり、不眠の原因になったりします。また、足が冷えるのに顔がほてるといった、更年期女性に多く見られる、いわゆる「冷えのぼせ」も自律神経失調による症状です。鍼灸治療で自律神経が整えられると血液の分配が調整され、これらの症状の改善が期待できます。

重点領域 ー当院で特に力を入れている分野ー

鍼灸治療の対象領域は大変広いです(下記「(参考)鍼灸の対象となる疾患領域例」項を参照)。これらの疾患は、鍼灸治療の対象となり得ますが、自身や家族等、身近な人が悩んだことのある経験から、特に次のような疾患に関心を持っています。原因が鍼灸適応の場合は、改善される可能性があります。

自律神経失調症(うつ状態)

鍼灸治療により、先述のとおり、2つの自律神経のバランスを調整し、不眠や全身倦怠、便通異常など、自律神経失調に伴うこれらの症状を改善できる可能性があります。病院にかかられている方は、病院での治療を続けながら、これらの不快な身体症状が少しでも改善できるようお手伝いいたします。
 

婦人科領域(月経痛・子宮内膜症・不妊・逆子)

現代は、ストレスや緊張を強いられ「交感神経優位」になりやすい社会ですので、特に女性にとって過酷な環境になりやすいと思われます。生殖器に十分な血液が行かずに冷えると、月経痛などの痛みの原因となります。また、器質的な問題の無い方の場合でも、東洋医学では、「瘀血(おけつ)」と言われる、血液の滞った状態が続くことで、子宮内膜症や子宮筋腫、さらには不妊などにつながっていくと考えられています。女性ホルモンは、本来、副交感神経優位の状態で働くホルモンです。ゆったり・リラックス出来る時間を1日のうちに少しでも持ちたいものです。鍼灸治療でも、過剰に優位となった交感神経を鎮め、ゆったりリッラクスした状態に導きます。

DLPFC賦活治療 ー慢性疼痛(症状部位は治っているのに痛みが続く場合)

関心を持っている治療のひとつに「DLPFC賦活治療」があります。前頭前野と呼ばれる脳の領域の中に、「背外側前頭前野皮質」(dorsolateral prefrontal cortex:DLPFC)と呼ばれる領域があります。この領域は、系統発生上、ヒトにおいて最も進化した脳領域で、複雑な認知行動の計画、適切な社会的行動の調節、痛みの回路に抑制をかける、ネガティブな感情をコントロールするといった、脳のもっとも高度な機能を担っているところです。強い痛みや恐怖体験、ストレスが持続的に続いたりすると、このDLPFCが委縮・不活性化します。また、うつ病患者でもこの部位の減少・縮小が見られるそうです。
 例えば、慢性腰痛の場合、実際に痛いと感じる所(腰)は治っているのに、DLPFCによる痛みの回路を抑制する機能が低下しているために、いつまでも、幻の痛みに苦しんいる可能性があります。この部位にある経穴に鍼を打つと、慢性疼痛が改善することが分かってきました。

 最近の治療として、反復性経頭蓋磁気刺激法(TMS治療)があり、DLPFCへの変動磁場を用いた脳刺激によって、うつ病や発達障害の方の症状に改善が見られることが分かってきました。前頭部に位置する経穴への鍼灸刺激で、このような疾患に対しても改善が見られるかどうかは、未だ解明されておらず、研究の待たれるところではあります。しかし、鍼灸刺激が慢性疼痛に対して改善が見られるのであれば、同じDLPFC部位に委縮が見られるうつや発達障害の方にも、何らかの良い変化をもたらすことができるのかも知れないと、個人的には可能性を感じています。
【参考文献等】

松本岐子.”鍼によるDLPFC賦活治療(1)使用穴編.『医道の日本』.75(7),2016,pp.109-114)

2015年7月12日(日) 放送 NHKスペシャル「腰痛・治療革命~見えてきた痛みのメカニズム~」

(参考)鍼灸の対象となる疾患領域例

鍼灸治療が対象とする領域は広く、その中で、原因が鍼灸適応となる疾患が施術対象となります。例えば、以下の疾患は、WHOにより適応となることが発表されている例です。
神経系疾患(不眠・自律神経失調等)、運動器系疾患(五十肩、関節症、リウマチ等)、循環器系疾患(高血圧・低血圧、動悸、息切れ等)、呼吸器系疾患(気管支炎、喘息、風邪および風邪予防等)、消化器系疾患(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘、・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎等)

施術のご案内

  • 鍼灸治療、では問診・脉診・腹診などの東洋医学に基づく診断法で、不調の原因を診ていきます。
  • すべての施術料金は、全額自費負担です。
  • 初診・再診の方は、いくつかの質問にお答えいただく形で予診票の記入をお願いしておりますので、表示されている目安の所要時間より15分程度長めにお時間をいただいております。
  • 施術料のほかに初診の方は、初診料1,000円、再診の方(最終来院日より1年以上期間が空いた場合)は、再診料1,000円が必要です。
  • 学生(中・高・大学生の方)は、学生料金が適用されます(表示料金より1,000円引)。
  • 小児治療氣こう単独のコース「体験コース(25分)は、初診料、再診料をいただきません。

予約申請フォームより予約をお申込みください。希望日時、施術コース等必要事項をご記入の上、送信いただきますと、予約状況を確認したうえで、予約確定メールもしくは、ご希望日時に添えない場合には、その旨ご連絡差し上げます。

※湊川本院と板宿分院(土曜日)の施術につきましては、こちらの詳細からご覧ください。


鍼灸治療

鍼灸一般治療

所要時間:約45分(約45分~55分)
料金:4,500円

さまざまな症状や体質などを考慮したトータル治療を墨灸中心に行います。
鍼灸一般治療にオプション(氣功)を付けることも可能です(詳細は、下記の「鍼灸ぷらす」メニューをご覧ください。)


婦人科系治療(体質改善)

所要時間:約50分(約45分~60分)
料金:5,000円

冷え性、生理痛、子宮内膜症、不妊症などの婦人科症状のうち、原因が鍼灸適応となるものを対象とした、鍼灸による体質改善


逆子治療

所要時間:約20分
料金:2,000円

妊娠8~9カ月にかけての治療が最も適していると言われています。臨月になると胎児が 骨盤内に下がり、胎動が少なくなり、矯正が難しくなるため、なるべく早めにご相談ください。足にある逆子治療の治療穴を使用します。本メニューは、逆子治療に特化しております。よりトータルで全身的な治療をご希望の方は、「鍼灸一般治療」もしくは、「婦人科治療」のなかで、逆子治療を行うことも可能です。


小児治療

所要時間:約15分~20分
料金:2,000円

乳幼児~小学生以下が対象です。小児専用の道具を用いて、皮膚を羽で撫でるくらいのタッチで軽くやさしく刺激します。さらに、小児の特効穴など要穴に灸を加え、情緒の安定を図ります。
※小児治療は、初診料をいただきません。


鍼灸ぷらす〈鍼灸+氣功オプション付〉

鍼灸ぷらす(75分)

墨灸と鍼による鍼灸施術に、オプション(氣こうによる氣の調整)が付いたメニュー

所用時間:約75分(鍼灸施術40分+氣功35分程)
料金:7,700円

墨灸と鍼による鍼灸施術を中心に、氣こうを補助的に用います。墨灸と鍼による鍼灸施術と基本の氣こう1種を組み合わせます。具体的には、当コースで最も基本のゆらゆら氣こうを行い、全身に氣を巡らせます。氣は溜めることが良いというより、流れていることが大切であると考えて、入れた氣は、しばらく身体を巡ったのちに、大半は抜くようにしています。それでも、少しずつ、氣の通り道である経絡が広がり、氣の容量も増していきますので、鍼灸刺激が必要な箇所に伝わりやすくなると考えています。
※所要時間の中には、氣を身体中に巡らせるために横になって頂く時間も含まれています。


鍼灸ぷらす(90分)

~墨灸を中心とした鍼灸施術に、オプション(氣こうによる氣の調整)が付いたメニュー~

所用時間:約90分(鍼灸施術45分+氣こう45分程)
料金:8,800円

墨灸と鍼による鍼灸施術を中心に、氣こうを補助的に用います。具体的には、当コースで最も基本の氣功2種を用い、足部と腰部から氣を入れ、全身に氣を巡らせます。氣は溜めることが良い訳でなく、流れていることが大切と考えておりますので、入れた氣は、しばらく身体を巡ったのちに、大半は抜くようにしています。それでも、少しずつ、氣の通り道である経絡が広がり、氣の容量も増していきますので、鍼灸刺激が必要な箇所に伝わりやすくなると考えています。
※所要時間の中には、氣を身体中に巡らせるために横になって頂く時間も含まれています。


体験コース

氣功(体験コース)

所要時間:約30分
料金:3,500円

当コースのなかで、最も基本の氣功を行います。氣功とはどのようなものか、ご自身の体質に合っているかなど、お知りになりたい方のための体験コースです。次回、鍼灸施術を受けられる方は初診料免除となります。初めての方だけでなく、手軽に氣功を続けたい方も継続的にご利用いただけるコースです。
※本コースは初診料不要です。


『氣・氣こう(氣功)』について

  • 東洋医学においては、氣・血・水の働きによって、生命活動が営まれていると考えます。なかでも、「氣」は生命エネルギーの源で、血や水に先行しこれらを導くため、とても大切です。氣の滞り(氣滞)や氣の不足(氣虚)などが体の不調や病の原因になります。
  • 鍼灸は、氣の足りていないところに氣を補ったり、過剰になっている氣を取り除いたりする手技で、快方に向かわせる治療方法です。
  • 板宿分院(月・水・木)では、補助的に氣こうを取り入れたオプションメニューを設けています。
  • 「氣」は東洋医学における概念であり、科学的に証明されている訳ではございません。ただ、あくまでも、個人的・感覚的な話にはなりますが、氣こうをしているときの体感としては、微弱な電気的刺激に似た感じがします。
  • 氣こうを受けた時の感覚は、人それぞれで、同じ方であっても、その日の体調や月齢など様々な条件で感じ方が違うようです。また、何も感じない場合も多いですが、一喜一憂される必要はないと思います。氣は、その時々で身体のなかで一番必要な場所に伝わると言われています。感覚や反応が顕著な臓腑(例えば、皮膚や腸など)とそうではないところがあるためと推察しています。
  • ​必要に応じ、ご自身の身体を調整するための氣こうをお教えいたします。